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世界遺産の富山・和紙の里を訪ねる

五箇山の冬景色 富山県南砺市

近年、海外でも高い評価を得ている日本の伝統工芸。
和紙作り、陶芸、染織など、その繊細で丁寧な作業は日本が世界に誇る文化です。
旅のお土産として買うだけではなく、脈々と受け継がれてきた技術を体験し、その地でその産業が発展した歴史的な背景を知ることで、工芸の新しい楽しみ方が始まります。
1回目は世界遺産の富山・五箇山で和紙を漉き、雪の季節に合掌造りを訪れる旅をご紹介します。

幻想的な景色のなか、伝承される暮らし

幻想的な景色のなか、伝承される暮らし
1995年に世界遺産に登録された五箇山の菅沼地区は、庄川に沿った河岸段丘にある。三方を川に囲まれ、もう一方は雪持林が茂る急斜面。この独特の地形が、昔ながらの景観を変わることなく今に伝えている。古いものは江戸時代後期、最も新しいもので大正14年(1925年)に建てられた9戸の合掌造りの家屋に現在も人々が暮らす、日本を代表する山村集落だ。「茅葺き・ウスバリ構造で切妻造り」という全国でここにしかない建築群は、近年“クールジャパン”として、海外からも注目を集めている。耕作地が狭く積雪の多い五箇山では、養蚕、塩硝、和紙など農業以外の産業を育成する必要があり、大きな囲炉裏や広い作業場はその生産量に直結した。そして60度の急勾配の屋根は、この地の湿った重たい雪に耐え雪下ろしが楽なようにという機能から生み出された。冬には集落のライトアップが行われる。その幻想的な景色はこの地の人々の暮らしが密に関係している。

日本の工業の成り立ちを知る岩瀬家住宅

日本の工業の成り立ちを知る岩瀬家住宅
合掌造りの住宅として日本最大の5階建ての威容を誇る岩瀬家住宅は、約300年前に8年の歳月を費やして建てられた、国指定重要文化財。屋内の多くは欅材を使用し、合掌造りの屋根の木組みは釘や金物を一切使わず縄とねそ(マンサクの木)だけで結び上げて造られている。頑強な構造は豪雪に対するためで、その建築には職住一体という生活の背景がある。五箇山は畑地のため、米の代わりに塩硝(火薬の原料)、生糸を年貢として納めていた。その塩硝の製造のため床を高くし、養蚕のため内部が5層という造りになったという。明治時代まで35人もの大家族がここで生活したという住宅は、殿様部屋と呼ばれる書院から屋根裏部屋まで見学ができ、日本の工業の成り立ちを実感する。

冷水で漉くあたたかみのある和紙を自分の手で

冷水で漉くあたたかみのある和紙を自分の手で
「越中和紙」の名で国の伝統的工芸品にも指定されている五箇山和紙。その歴史は古く、加賀百万石の時代に藩の手厚い保護を受けながら、塩硝、生糸とともに年貢として納められ、現在も桂離宮の障子紙や重要文化財の補修用紙、美術工芸品の素材などに使用されている。楮(こうぞ)とネリ(とろろあおい)だけを使ったその伝統的な製法は、「和紙の里」や「五箇山和紙」で体験が可能。設備は新しいが、冬の冷たい水で漉かれる伝統的な和紙作りはこの地独特のものだ。海外でも「FIVE」のブランド名で知られる五箇山和紙。日本が誇る和紙を自作するという喜びは格別だ。

Data

五箇山の冬景色 富山県南砺市

五箇山(菅沼集落)までのアクセス

電車、バスで

JR北陸新幹線/JR西日本城端線「新高岡駅」
または、あいの風とやま鉄道・JR西日本城端線・氷見線「高岡駅」
から世界遺産バスで「菅沼」まで約1時間30分
JR西日本城端線「城端駅」から世界遺産バスで「菅沼」まで約40分

自動車で

東海北陸自動車道「五箇山IC」から約3分

旅の情報はこちらから

越中和紙 TOYAMA ETCHU Washi
http://www.etchu-washi.jp/ *

五箇山和紙の里 道の駅たいら
http://gokayama-washinosato.com/ *

農事組合法人 五箇山和紙
http://www1.tst.ne.jp/gokawasi/ *

五箇山彩歳
http://www.gokayama-info.jp/ *

南砺市観光情報
http://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/www/kanko/index.jsp *

旅々なんと
http://www.tabi-nanto.jp/ *

越中五箇山岩瀬家
http://www.iwaseke.jp/ *

旅の案内人

旅の案内人

野田達哉さん(エディター、ライター)
京都市生まれ。同志社大学卒業。ファッション紙記者、女性誌編集長を経て編集プロダクション設立。ファッションの編集者をベースにしながら、新幹線車内誌をはじめ、フリーランスのトラベルライターとして特集を担当。

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